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〔米国ヘルスケア・リスク・マネジメント協会
(ASHRM、American Society for Healthcare Risk
Management)〕
出典:(ハーバード大学病院使用)医療事故:真実説明・謝罪マニュアル「本当のことを話して、謝りましょう」
翻訳:東京大学 医療政策人材養成講座
有志「真実説明・謝罪普及プロジェクト」メンバー
2006年11月16日
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有害事象 |
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患者さんのもともとの病気によるというよりも、医療行為によって引き起こされた傷害。「害(harm)」「傷害(injury)」「合併症(complication)」とも言います。
・有害事象には、過誤に起因する場合と起因しない場合があります。さらに、予防可能な有害事象や予防不可能な有害事象の分類については、下記を参照してください。
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医療過誤 |
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計画された行為を意図したとおりに遂行しようとして失敗すること、または目的を達成しようとして誤った計画を採用することです。医療過誤には、深刻な過誤も、軽微な過誤も、ニアミスも含みます(注:医療過誤は、害を起こすことも起こさないこともあります。害を起こさない医療過誤は、有害事象とはなりません)。
さらに次のように定義します――。
深刻な過誤:永続的な傷害となる可能性があるか、一時的ではあっても生命を脅かすおそれのある傷害を引き起こす可能性のある過誤。
軽微な過誤:傷害を起こさない過誤、または傷害を起こす可能性がない過誤。
ニアミス:傷害を起こしえた過誤であるが、患者さんに到達する前に遮られたもの。
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予防可能な有害事象 |
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過誤またはシステム的な欠陥に起因する傷害(あるいは合併症)。個人の過誤は、往々にしてシステム的な欠陥の最終結果であることに同意できるにしても、それでも、患者さんにも医療従事者にも、個人の過誤はきわめて個人的な事故と認識されています。以下の3つの分類を区分することは有益です。
・タイプ1:主治医による過誤 例:医療行為を遂行する上での技術的な過誤
・タイプ2:医療チームの医師以外のだれかによる過誤
例:看護師による間違った投薬、レジデント
(研修医)の技術的あるいは判断上の過誤、放射線技師による照射部位間違い
・タイプ3:個人の過誤を伴わないシステム的な欠陥
例:輸液ポンプの故障による過剰投与、検査を
指示した医師に異常な検査結果を伝えるシステム的な欠陥
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予防不可能な有害事象 |
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過誤やシステム的な欠陥が原因ではなく、最新の科学知識でも常に予防できるとは限らない傷害(あるいは合併症)です。これらは大きく2つに分けられます。
・タイプ1: よくある、よく知られた高リスクの療法。患者さんはリスクを理解した上で、治療による効果を得るためにそのリスクを引き受けます。
例:化学療法の合併症
・タイプ2: 通常の医療行為でまれにしか起こらないが、知られているリスク。患者さんは事前に、もしかして起こるかもしれないと、知らされていることもあるが、知らされていないこともあります。
例:薬の副作用、ある種の術創感染
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インシデント(医療事故) |
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医療事故の定義図 |
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